約480万人が登録する大手転職情報サイト「転職会議」に掲載された事実無根の投稿で社会的評価を低下させられたとして、徳島市の企業が、高松市のプロバイダー「STNet」を相手取り、プロバイダー責任法に基づいて投稿者の名前や住所などの開示を求めた訴訟の判決が22日、高松地裁であった。
木村哲彦裁判官は「名誉が毀損されたことは明らかだ」として開示を命じた。
判決などによると、昨年10月、「転職会議」の口コミ欄に、原告企業の従業員を名乗る人物が匿名で「社長はワンマン」「管理職に管理能力はない」などと投稿。企業側は訴訟に先立ち、東京のサイト運営会社に投稿者のIPアドレス(インターネット上の住所)などの開示を求める仮処分を東京地裁に申し立て、開示の仮処分決定が出たことから、投稿はSTNetのサービスを経由してなされた事実を把握。今回、投稿者名などの開示を求めていた。
STNetは「投稿者の意見で、社会的評価を低下させたとまでいえない」と主張したが、判決は「前提となる真実性や相当性が証明されていない」とした。
原告企業は「人材獲得が難しい中、誤った投稿は採用活動の妨げになる。投稿者と話し合いの場を設けたい」としている。
「転職会議」の投稿を巡っては、削除などを求める会社などとの間で訴訟に発展するケースが各地で相次いでいる。
(引用:YOMIURI ONLINE(http://www.yomiuri.co.jp/national/20170822-OYT1T50148.html))