齊藤社長が経営する「PEZY Computing」など2社がことし10月に開発に成功したと発表したスーパーコンピューター「Gyoukou(暁光)」は1秒当たり、1京4130兆回の計算速度を記録し、富士通が開発した「Oakforest-PACS」の記録を超えて、国内最速を達成しました。
省エネ性能を示す、消費電力1ワット当たりの計算回数では、世界1位に相当する1秒間に146億9000万回を記録しました。
「Gyoukou(暁光)」は神奈川県にある国立研究開発法人海洋研究開発機構に設置されています。
スーパーコンピューターの開発では大型化に伴う消費電力の抑制が課題となりますが、「PEZY Computing」などは独自に開発したプロセッサーを電気を通さない特殊な液体に浸して冷やすことで、速い計算速度と高い省エネ性能を実現したということです。
先月発表されたスーパーコンピューターの世界ランキングでは「Gyoukou(暁光)」が1秒当たり1京9140兆回の計算速度を記録し国内最高の4位となったほか、同時に発表された省エネ性能を比較するランキングでも、斉藤社長が経営する2社が開発したスーパーコンピューターが1位から3位を独占しました。
少ない人員で開発したにもかかわらず、それまで国内トップだった富士通のスーパーコンピューターの記録を上回り、一躍、注目を集めました。
齊藤社長はこれまでに出版した著書の中で「スーパーコンピューターの性能の向上は、巨大な変革をもたらし人類はエネルギー問題や食料問題などから解放される」と開発の意義を強調し、「日本人こそが次世代スーパーコンピュータを開発し、新世界を創出しなくてはならない」と訴えていました。